みちぱん書評録

しがない書店員・みちぱんによる超絶個人的見解の書評記録

高田大介「図書館の魔女 第一巻」

図書館の魔女 第一巻

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著:高田大介 版元:講談社

鍛冶の里に生まれ育った少年キリヒトは、王宮の命により、史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女」マツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声を持たないうら若き少女だった。超弩級異世界ファンタジー全四巻、ここに始まる!第45回メフィスト賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

 

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みちぱん

今回は、こちら。高田大介さんの「図書館の魔女」、
その文庫版の第一巻でございます。

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ブンちゃん

やっと感想書くのか。
読み終わってから結構経つよね。

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みちぱん

そうなんですよー。別に出し惜しみしてたわけでなく、
これ単行本だと上下巻、文庫だと全4巻なんですけれど、
ひとまとめに紹介するか1巻ずつにするか迷ってまして…。

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ブンちゃん

それで1巻ずつの紹介にしたわけか。
まぁ確かに。
この壮大な物語をひとつの記事にするのは難しいかもね。

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みちぱん

記憶に残っている最初に読んだ小説って
確か上橋菜穂子さんの「狐笛のかなた」なんですけど、
こんなに読んでいてドキドキワクワクしたのは
その初めて小説を読んだとき以来ですかね。

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ブンちゃん

君が感動したからといって
全世界の人もそうかと言われればそうではないけどね。
僕からすれば、このお話はわざわざ難しい言葉を使って
分かりにくく仕上げているように思えるよ。

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みちぱん

い、いいんですよ別に。
個人的見解な書評なんですから!
ネタバレもがんがんしちゃいますので、
苦手な方はブラウザバックでお願いします。
でも確かに、難しい言葉はたくさん出てきますよね。
10Pくらい読んで、最後まで読めるか不安になりました(笑)

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ブンちゃん

まず、登場人物が多いから覚えられるか不安だったよね。
この世界の地図まで作者は作り込んであって、
物語を創作している人たちの大概はそうだと思うけど、
作者の頭の中で実際にこの世界は存在しているんだって感じた。

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みちぱん

著者である高田大介さんは、
この図書館の魔女でデビューしたんですよね。
しかもメフィスト賞からのデビュー!
個人的にメフィスト賞には信頼を置いています。

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ブンちゃん

メフィスト賞
芥川賞とか直木賞の他に小説の賞なんてあるの?

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みちぱん

確かに、世間一般的に認知されているのはその2つですね。
でもスポーツでもそうですけど、○○賞なんて
挙げたらキリがないほど種類があるんですよ。
メフィスト賞は数ある賞の中でも、
講談社さんが主催しているものですね。

 

メフィスト賞とは?|webメフィスト|講談社ノベルス|講談社BOOK倶楽部

 

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ブンちゃん

面白ければなんでもありか。
創作の醍醐味に尽きるな。

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みちぱん

普通は、原稿用紙の枚数制限だったり、
ジャンルが決まっていたりと制約があるのですが、
この無法地帯感がすごく好きです。
その中でも図書館の魔女は異例の長編であるとか。

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ブンちゃん

高田大介さんって確か言語学者だっけ?
それならこの物語にも納得だな。
どうりで小難しくて長ったらしい文章なわけだ。
なんてったって大学教授たちは論文書き慣れているからね。

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みちぱん

確かに、学生時代の論文やレポートは
文字数との戦いでしたね…。
文字数、枚数稼いだ方が勝ち!みたいなところありましたから。
図書館の魔女は「本」とはなにか、
「言葉」とはなにか、ということを
著者なりにまとめた論文、といってもいいかもしれませんね。

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ブンちゃん

この表題「図書館の魔女」であるマツリカは、
声が出ないというハンデを持っている。
耳は聞こえるし目も見えるが、声だけが出ない。
だから手話で他人と意思疎通をしているんだよね。

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みちぱん

そうそう。
キリヒトという少年が、一の谷という国の図書館、
通称・高い塔の管理人に仕えるため
住んでいた山を下るところから物語が始まります。

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ブンちゃん

この図書館の管理人のことを、
みんな魔法使いって呼んでいたけど、
別に魔法が使えるわけじゃないんだよね。

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みちぱん

はい、図書館の魔法使いが使うのは「言葉」のみです。
かつて彼が各国に送った文書のおかげで
和平に至った「起こらなかった第三次同盟市戦争
というものがあり、その知恵と策略から
魔法使いと呼ばれているようですね。
その魔法使いが引退し、孫であるマツリカさまが
当代の管理人、つまり図書館の魔女なわけです。

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ブンちゃん

マツリカ「さま」ねぇ。
確かに、「さま」をつけたくなるような
「話し方」というか「態度」だよね。

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みちぱん

人によって話し方の特徴があるように
手話でも人の性格とかにじみ出るみたいですね。
ここで本文の引用をちょっと。

 

しばしば勘違いされていることだが、手話というものは本来「声の代替物」ではない。つまり一般には、ある国語がまずあって、それを声で表すことも、文字で表すことも、手話で表すことも可能であると誤解されがちなのであるが、これは手話の本質を突いてはいない。手話はそれ自体で独立した一つの言語なのであり、既存の音声言語に依存する代替的表現手段などではない。

(「図書館の魔女 第一巻」207Pより)

 

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ブンちゃん

…つまり「日本語の手話」という捉え方ではなくて
手話は手話、ってこと?

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みちぱん

ど、どうしたんですかブンちゃん、
急にそんな物分かりが良くなって…。

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ブンちゃん

それ以上バカにするとつつくぞ。

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みちぱん

すみませんでした。
とにかく、マツリカさまや司書であるハルカゼ、キリンは
言葉や文字の世界に生きる方々なんですけれど
新参者のキリヒトはというと…。

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ブンちゃん

確か、文字が書けないんだったな。
異常なほどに耳が良かったり、感覚が優れていたりするが。

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みちぱん

文字が書けないのになんで
図書館なんぞに来たんだ、という(笑)
みなさん呆れていましたね。

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ブンちゃん

よく追い出されなかったな。

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みちぱん

マツリカさまのお爺さん、先代からの推薦で
キリヒトは図書館にやってきましたからね。
何か考えがあってのことだろうと納得したみたいです。
まぁ実際に何かあるんですけどね。

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ブンちゃん

その何かとは?

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みちぱん

それは…第二巻に続きますので
また次回ですね。

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ブンちゃん

………。