みちぱん書評録

しがない書店員・みちぱんによる超絶個人的見解の書評記録

星奏なつめ「チョコレート・コンフュージョン」

チョコレート・コンフュージョン

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著:星奏なつめ 版元:アスキー・メディアワークスKADOKAWA

 バレンタインすら残業の、仕事に疲れたOL千紗。お気に入りのヒールが折れ、泣きっ面に蜂な千紗を救ったのは、理想の王子様―ではなく、凶悪な目つきから社内で殺し屋と恐れられる龍生だった。千紗はお礼のつもりで義理チョコを渡すが、勘違いした龍生に交際を申し込まれてしまう。「断ったら殺される!?」命の危険を感じた千紗は、偽りの恋人になることに。だけど強面の龍生が提案してきたのは、なぜか交換日記で!?凶悪面の純情リーマン×がんばり過ぎなOLの、涙と笑いの激甘ラブコメ!第22回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞受賞作。 

(「BOOK」データベースより)

 

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みちぱん

今回はこちら。
星奏なつめさんがおくるラブコメ
チョコレート・コンフュージョンです。

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ブンちゃん

ブコメなんて珍しいんじゃない?

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みちぱん

そうですか?
結構好きですよ?恋愛小説。
少女漫画も大好きですし。
とくに重い内容の本を読んだ後は
ドロ甘でベタベタな展開のラブコメ
無性に読みたくなったりしますね。

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ブンちゃん

そういえばこれの脳みそ、
くそ甘いカスタードクリームで
出来てるんだった…。

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みちぱん

でもこの本、最初のイメージとは
ちょっと違ったんですよね…。

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ブンちゃん

そうなの?

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みちぱん

超強面で誤解され怖がられている、
けれども本当は優しいヒーローの
素に触れたヒロインが恋に落ちる…
的なやつかなーと思ったんですよ。
いや、その予想は間違ってなかった。

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ブンちゃん

それで何か問題が?

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みちぱん

いえ、問題はなかったんです。
けれど…なんと言いますか…
思った以上にコメディだったんですよ!

 

「止めてくれるな、愛とは時に苦しいものなのだ!そう、これは愛の味っ!見える、見えるぞ天国がぁぁぁぁっ!」

(「チョコレート・コンフュージョン」P38より)

 

「私だって、できるものなら恋したいよ?なんかこう、胸の中の子猫が、みぃみぃ鳴き出すみたいな、甘く切なーい気持ちに浸ってみたいなぁって思う」

(「チョコレート・コンフュージョン」P61より)

 

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ブンちゃん

こ、これは…。

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みちぱん

上はヒーロー龍生のセリフ、
下はヒロイン千紗のセリフなんですが…
この2人、とにかくイタイ大人なんですよ!

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ブンちゃん

凶悪顔で潔癖症、でも純情でどこかズレてる龍生、
バリキャリの仮面を被っているけれど、
脳内メルヘンでお姫様になりたい系女子の千紗。
なるほど…ラブコメというよりコメディラブかな。

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みちぱん

そうなんですよ…。
イタいよぉと悶えながら笑えるんですよ…。
勘違いして暴走する龍生と、それに引きながらも
龍生に怯えて別れを切り出せない千紗。
龍生は元々千紗のことが好きだったので、
それ故に舞い上がっての暴走とも言えるのですが、
段々と千紗の気持ちが龍生についてくるんですよ。

 

―――不意打ちだわ。

トクン、とハートが震える。

胸の中で、俯いてばかりだった恋の子猫が、ふっと顔を上げる。

やだ、どうしよう、北風さん相手なのに―――。

(「チョコレート・コンフュージョン」P134より)

 

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みちぱん

遊園地デートのとき、千紗が龍生に
「私のどこが好きですか?」って聞いたら
「全部です!具体的にはこういうところが…」という感じで
千紗の好きなところを龍生が列挙していくのですよ。
それはもう気持ち悪いほどに(笑)
でも千紗は嬉しかったみたいです。
千紗は美人なので、元カレは千紗の顔目当てで
言い寄ってきた人だったらしく、
同じ質問をしても「顔」と言われたことが
ショックだったみたいで。

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ブンちゃん

「私のどこが好き?」
「とても言葉では伝えきれないな」
みたいな寒いやり取りが好きなのか、千紗は。

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みちぱん

そうそう(笑)
千紗は自分だけの王子様を
待っているんですよね。
純情でスレていない龍生と
ある意味相性良いんですよ。

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ブンちゃん

龍生も中々にイタいけど、
千紗も千紗だよね。
仕事も出来の悪い後輩に任せられず、
色々と抱え込んでパンク寸前だし。

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みちぱん

他人に任せて失敗するなら私がやるって人、
結構多いですよね。
気持ちは分かるんですよ。でも
失敗覚悟で任せてみないと下は成長しないし、
難しいところではありますよね。
そんなギリギリで踏ん張っている千紗に、
龍生が意見するのですが、
これが意外にグッとくるんですよねぇ。

 

「それが今は、入社と同時に即戦力を求められてしまう。不景気で人員を削減した分、新人を育てるゆとりが会社になくなってしまったんです。それって可哀想だと思いませんか?せっかくゆとりを持って育ってきた世代なのに、仕事を楽しむゆとりを持てないなんて」

(「チョコレート・コンフュージョン」P159より)

 

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ブンちゃん

千紗は仕事では頼られるだけで、
頼れる相手がいなかったから、
龍生が話を聞いてくれて
楽になったんだろうね。

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みちぱん

読めば読むほど、
この2人って相性良い気がするんですよ。

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ブンちゃん

確かにそうかもね。
最終的にはちゃんとくっつくんでしょ?
「ラブ」コメなんだし。

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みちぱん

色々と勘違いパレードがあり
紆余曲折を経てちゃんとくっつきます(笑)
なんたって「ラブ」コメですから!
なんか疲れた、楽しくない、
そんなときにオススメの一冊です。
2人から元気をもらえること間違いなしですよ。