みちぱん書評録

しがない書店員・みちぱんによる超絶個人的見解の書評記録

額賀澪「拝啓、本が売れません」

拝啓、本が売れません

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著:額賀澪 版元:KKベストセラーズ

 売れる本を作る方法を探し求めて見つけた答えとは…『松本清張賞』『小学館文庫小説賞』をダブル受賞してデビューした新人小説家がみた出版不況の現実。文藝春秋より刊行予定の新作先取り掲載。

(「BOOK」データベースより)

 

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みちぱん

今回はこちら。
額賀澪さんの「拝啓、本が売れません」!

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ブンちゃん

書店員としては、
随分とそそられるタイトルだね。

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みちぱん

そうなんですよー。
もうこれは買うしかないですよね。
「売れない?まずは私が買ったるわ」的な。

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ブンちゃん

ジャンルとしてはなんだろう。
エッセイかな?

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みちぱん

取材記録とも言えますよね。
今回は章ごとに感想を言っていきたいと思います!

 

著者・額賀澪とは?

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ブンちゃん

そもそも、額賀澪さんって
どんな作家さんなの?

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みちぱん

私のイメージでは、「青春小説が得意な人」ですかね。
「人間の青さ」みたいなものを表現するのが
とても上手だと思っています。
と言っても私、額賀さんの作品をきちんと
読んだことはないんですよね…。

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ブンちゃん

…ははーん、分かったぞ。
君、いわゆる「青春」が苦手なんだろ?

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みちぱん

ぎくっ。

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ブンちゃん

君の中高大学時代もある意味青春してたと思うけどね。
各国を飛び回っていたじゃないか。
…まぁ「恋愛」はからっきしだったけど。

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みちぱん

自分で思っている以上に「恋愛」をしてこなかった
ということがコンプレックスなのかもしれないです…。
恋愛だけが青春じゃないですけどね。
どうしても学校が舞台の話は手に
取りづらいと言いますか…。

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ブンちゃん

これを機に額賀作品読んでみれば?
食わず嫌いは良くないって
君がよく言うじゃないか。

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みちぱん

ですねぇ。
それはともかく、この本を読んで分かったのですが
額賀さんてユニークな方だなと。
ハングリー精神が旺盛で、
平成生まれの糞ゆとり作家を自称しているという…。

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ブンちゃん

君もゆとり世代だっけ?

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みちぱん

ギリギリそうかと…。
でも、そういった感覚はあまりないですね。
社会の波にもまれていないからかもしれませんが、
「これだからゆとりは…」なんて場面に
遭遇したことはありませんし、
私は私だと思っていますし。

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ブンちゃん

それ「ゆとり」だがら気付いていないだけで
そういう目で見られているんじゃ…。

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みちぱん

額賀さんがどういう方か、その本質は、
この本の最初のページを見れば
なんとなく分かるのではないでしょうか。

この本を書店で手に取った方へ

「面白そうじゃん。買おう」

そう思った方は、どうぞこのままレジへ。

 

「興味ない。買わない」

そう思った方は、この本を棚に戻し、他の本を手に取ってください。

そのまま書店を出て行かないでください。

本屋さんには、たくさんの面白い本があります。この本はその中のたった一冊です。

たくさんの本があれば、《あなたに合わない本》も当然あります。しかし、《あなたに合わない本》以上に、《あなたを楽しませる本》がこの場所には大量にあります。

《あなたを楽しませる本》を探してみてください。きっとすぐに見つかります。

世界はそれくらい、《面白い本》であふれています。

(「拝啓、本が売れません」P3より)

 

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みちぱん

業界全体が落ち込んでいるからか、
自分の利益だけ考えるような
作家さんや版元は少なくなってきていると
思うんですよね…。

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ブンちゃん

額賀さんがこの本を出したのも、
もちろん自分の本を売りたいのもあるだろうけど
この業界を盛り上げようとしたんだろうね。

 

ラノベとはなんだ

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みちぱん

最初に額賀さんが取材したのは
灼眼のシャナ」、「とある魔術の禁書目録」、
ソードアート・オンライン」などの
ヒットしたラノベの担当編集者・三木一馬さんです。

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ブンちゃん

どれも聞いたことのあるタイトルばかりだ。
すごい人なんだね。

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みちぱん

ひとつの作品にとって、作者はもちろんですが
編集者の力量もかなり大事らしいですからね。
ところでブンちゃん、「ラノベ」って
どんなイメージ?

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ブンちゃん

んー…。「ライトノベル」っていうくらいだから
サクッと読める軽い感じかな。
あとは、アニメ風の表紙だったり
「オタクっぽい」印象がある。

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みちぱん

私もブンちゃんとほぼ同意見ですね。
三木さんは、ラノベには「ある種のカタルシスが必要」だと
仰っていて、あぁなるほどと思いました。
ハッピーエンドだったり、勧善懲悪だったり、
紆余曲折はあっても最終的な読了感が
ラノベはスッキリしていると思うんですよ。

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ブンちゃん

あぁ、確かに。
いわゆる文芸は読後の気分がどんよりというか
この話のテーマ重い…ってときあるよね。
ラノベでそんな話あったら売れなそうだわ。

 

本を売る、その最前線

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みちぱん

お次はさわや書店の書店員・松本大介さんです。
この方も有名な書店員さんですよね。
最近出版された著書も買いました!

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ブンちゃん

例によって部屋の片隅に積んであるやつな。

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みちぱん

うっ…読みます、読みますよ!
とにかく、松本さんはすごい仕掛け人なのです。

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ブンちゃん

著者の顔をプロフィールを本の横に
置いておくのとかすごい面白いよね。
食べ物とかでもさ、生産者の顔というか作り手の顔が
かると購買意欲が上がるっていうしね。

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みちぱん

他にも色々とあるんですけどね。
おそらく松本さん著の
「本屋という物語をまだ終わらせるわけにはいかない」
に書かれていると思うので、ここでは触れないでおきます。
この章で、額賀さんが意外と毒吐きというか
ハングリー精神のある方だと分かりますよね(笑)

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ブンちゃん

朝井リョウさんと住野よるさんを
ライバル視してるって話ね(笑)

 

「毒なら持ってますよ!人より多めに抱え込んでますよ!朝井リョウさんと住野よるさんの本を書店で見かけるたびに『タンスの角に足の指ぶつけちまえ』と思ってます!」

(「拝啓、本が売れません」P94より)

 

《朝》と《よる》がいるから、そのうち《昼》が出てくると思う。

(「拝啓、本が売れません」P95より) 

 

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ブンちゃん

まだ現れない《昼》さえ敵視している(笑)

 

出でよ、ネットの力

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みちぱん

次に、Webコンサルタントの大廣直也さんに
額賀さんたちはインタビュー。
最近のネットの拡散力はすごいですよね。
TVの方がまだ強そうですけれど。

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ブンちゃん

色々とネット上での集客に関して
勉強になる部分ではあったね。

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みちぱん

このブログのアクセス数もイマイチですからね…。
これから色々と勉強していこうと
思っていますが…。

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ブンちゃん

実際どんな感じなの?

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みちぱん

記事を投稿した日は良くて50くらいですかねぇ。
作家さんとかに拡散していただくと
もう少し伸びますが…。

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ブンちゃん

50でもこの記事を見た全員が興味を持って、
25人くらいが本を買ってくれれば
いいんだけど、実際はほぼ0人だよね。
みんなが書店に出向くキッカケになればいいけど。

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みちぱん

とにかく勉強あるのみ!
大廣さんにアドバイスをもらって、
額賀さんは公式HPを作ったみたいなので、
下にリンク貼っておきますね。

 

nukaga-mio.work

 

映像化は嬉しいけれど嬉しくない

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みちぱん

お次は、映像化する作品を厳選する浅野由香さん。
映像化するラインは三十万部みたいです。

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ブンちゃん

ドラマ化、映画化、アニメ化する作品は
星の数だけあると思っていたけど
やっぱりラインは厳しいんだね。
売れている上で映像化しやすいか、
それによってさらにお客がつくかどうか
さらに厳選されるわけか。

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みちぱん

険しい道のりですよ。
私はあまり映像化されたものは
得意じゃないんですよね…。

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ブンちゃん

そういえばそうだったね、
ゲームとか声優も好きなのにね。

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みちぱん

あまり見たいと思わないんですよね…。
原作厨だから、ということに
しておきましょうか(笑)
その作品が広まってくれたら
嬉しいんですけどね。

 

本も見た目が100%

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みちぱん

お次は、ブックデザイナー川谷康久さんのところへ。
本のデザインって、すごい大事ですよね。

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ブンちゃん

そりゃあ大事だけれど…
やっぱり中身なんじゃないの?

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みちぱん

もちろん中身は大事です。
でも出版されて本になっている時点で、
それなりの人が面白いと思えるように
出来上がっているんですよ。
例えばワンピースを買いに来た少年が
最新刊を抱えてレジに向かう途中、
ふと視界の片隅い入って気になってしまう。
そんな本を作るためには、やっぱり
見た目が大事なんですよ!

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ブンちゃん

確かに…。
それで当たれば、
「ワンピースと純文学を買う少年」
という構図に成り得るわけか…。

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みちぱん

「ついで買い」、「衝動買い」を
してもらうためには、表紙、題名、
帯がそれはそれは重要になってきます。
むしろそれだけと言っても過言ではないです。

 

額賀さんの新作ですよー

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みちぱん

この本を締めくくるのはなんと、
文藝春秋から発行予定の
額賀さんの新作の冒頭部分の
掲載なんですよね。

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ブンちゃん

違う出版社なのに、お互いよく了承したね。

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みちぱん

それだけ面白いってことですよ!

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ブンちゃん

ずいぶんとハードル上げるね…。

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みちぱん

気になる方は
「拝啓、本が売れません」を要チェック♪