みちぱん書評録

しがない書店員・みちぱんによる超絶個人的見解の書評記録

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/西村醇子「ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔」

ハウルの動く城
魔法使いハウルと火の悪魔

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著:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 訳:西村醇子 版元:徳間書店

 魔法が本当に存在する国で、魔女に呪いをかけられ、90歳の老婆に変身してしまった18歳のソフィーと、本気で人を愛することができない魔法使いハウル。力を合わせて魔女に対抗するうちに、二人のあいだにはちょっと変わったラブストーリーが生まれて…?英国のファンタジーの女王、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの代表作。宮崎駿監督作品「ハウルの動く城」の原作、待望の文庫化。 

(「BOOK」データベースより)

 

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みちぱん

今回はこちら。
日本ではジブリ映画でお馴染み、
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ原作の
魔法使いと火の悪魔です!

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ブンちゃん

原作厨が。

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みちぱん

別にいいじゃないですか!
私は映画版が大好きなんですけれど
ブンちゃんはジブリ映画で
好きな作品とかあります?

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ブンちゃん

紅の豚かな。

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みちぱん

良いところついてきますねぇ。
私は「もののけ姫」や「風の谷のナウシカ」も
好きですね。なんというか、生き物や環境との
共存といいますか…考えさせられますよね。

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ブンちゃん

君は小難しいテーマが好きだからね。

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みちぱん

そうでしょうか?
…というか、なんか今日ブンちゃん
機嫌悪くないですか?どうしました?

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ブンちゃん

…腑に落ちないんだよ。

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みちぱん

えーと、なにが?

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ブンちゃん

ハウルとソフィーがいつ恋に落ちたのか。

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みちぱん

なるほど…。

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ブンちゃん

映画の方はなんとなく分かるんだよ。
「例の伏線」もあるしね。
でも原作の方は、最後に急にそういう展開になって
え、いつのまに?って感じだし。

 

※「例の伏線」が気になる方は下記の記事を参考にどうぞ。

batque.com

 

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みちぱん

では、検証しましょう。

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ブンちゃん

はぁ?

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みちぱん

筋道立てて考えれば、
多少は分かるかもしれませんよ!

 

可能性その1:ソフィーはダメ男好きだった説

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みちぱん

そういうわけで、まずはソフィーが
ハウルに惚れ込んだ理由を
可能性として探っていきましょう。

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ブンちゃん

本当にやるんだ…。

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みちぱん

もちろん。
ブンちゃんの機嫌が悪いままだと困りますからね。
で、可能性その1として、
「ソフィーはダメンズが好みのタイプ」
という説を提唱したいと思います。

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ブンちゃん

確かにハウルはダメ男だよね…。
女の尻を追いかけてばかりいるし、
財布のヒモはゆるいし、
困難なことや面倒事からは逃げようとするし、
…いびきもうるさいし。

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みちぱん

ホントどうしようもないですよね。
ソフィーのせいで髪色がピンクになったときも
体から正体不明のネバネバを出すくらい落ち込むし。
でもソフィーは世話焼きなので、
そういう男がタイプなのではないかと。
タイプなら、一緒に暮らしているだけで
自然と好きになってしまいますよね?

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ブンちゃん

そうかもね。
本当にダメ男が好きならね。

 

可能性その2:ハウルのおまじない効果説

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みちぱん

ハウルが女性を口説くために、
服にまじないをかけていましたよね?

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ブンちゃん

女の子が自分に惚れやすくなるってやつ?
大した魔法の使い方だよね。

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みちぱん

ソフィーははそのまじないに
まんまとやられた可能性があります。

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ブンちゃん

それは…あまりロマンティックじゃないね。

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みちぱん

その可能性は自分でも
揶揄しているんですよ。

 

「いまいましい、灰色と真紅の服め!あたしもあのまじないの犠牲者の一人だなんて、冗談じゃない、ぜったい認めないからね!」

(「ハウルの動く城魔法使いハウルと火の悪魔」P340より)

 

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ブンちゃん

でもまじないがかかった服は
もう一着あったよね?
青と銀の服だっけ。そっちはソフィーに
切り刻まれたのか(笑)

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みちぱん

切り刻まれましたよ(笑)
ハウルの毒牙に女の子がかからないように。
それはまじないを無効化するためで、
そのあとにちゃんと直してましたけどね。
でもこれって嫉妬の一種ですかね?
あと、ソフィーはハウルの服に
まじないがかかっていると知って
青と銀の服を切り刻んだあと、
ハウルの服をしきりに気にしているんですよね。

 

 「本当はそれ、青と銀の服なの、灰色と真紅の服なの?

(「ハウルの動く城魔法使いハウルと火の悪魔」P294より)

 

ソフィーはうなりました。「今着ているのはどっちの服?」

ハウルは自分の黒い衣装を見おろしました。「それって大切なことかい?」

(「ハウルの動く城魔法使いハウルと火の悪魔」P327より) 

 

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みちぱん

ハウルは喪服にするために、
服を魔法で黒く染めたんですよね。
で、ソフィーは元はどっちの服なのか
分からなくなっていると。

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ブンちゃん

あー…なるほど。
もしいま着ている服が灰色と真紅の服なら
まじないの効果でハウルのことが
素敵に見えてもしょうがない、でも
もし青と銀の服だったら…ってことか。

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みちぱん

こうなってくると、ソフィーは
まじないがあってもなくても
ハウルが好きなのかもしれない、
ってことになりますよね。

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ブンちゃん

うーん…。

 

可能性その3:ひとめぼれ説

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みちぱん

単純明快、一目惚れの可能性も。

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ブンちゃん

動く城で会ったとき?

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みちぱん

そちらではなく、五月祭の方です。

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ブンちゃん

…そういえば、ソフィーが荒地の魔女
呪いをかけられる前、2人は偶然にも
町中で出会っているんだよね。
ソフィーは灰色の服、ハウルは青と銀の服で。

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みちぱん

ソフィーはハウルに好印象を抱いていましたからね。
でもハウルが着ていたのが、ソフィーが
切り刻む前の青と銀の服となると…。

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ブンちゃん

それこそまじないの効果かもしれない。

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みちぱん

うーん…。

 

可能性その1:「面白い女」説

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みちぱん

では次に、ハウルがソフィーを好きになった
可能性について検証しましょう。
ひとつめは、ソフィーは俗に言う
「面白い女」だったという説です。

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ブンちゃん

なに?その「俗に言う」って。

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みちぱん

少女漫画でよくあるじゃないですか。
イケメンがそこまで可愛くないヒロインに
「お前…この俺様に立てつくなんて、面白い女だな」
って言ってフォーリンラブしちゃうやつ。

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ブンちゃん

今まで周りにいなかったタイプに
惹かれるってやつか。
でもそれそんなポピュラー?

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みちぱん

詳しくは「女子高生の無駄づかい」という
漫画を読んでみてください。
このフレーズについての回は
マジで面白いです。

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ブンちゃん

それはいいんだけど…。
まぁ確かに面白い女ではあるかもね。
いきなり押しかけてきて掃除し出すばあさんだもんね。

 

可能性その2:ギャップ萌え説

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みちぱん

見た目はババア、中身は少女!みたいな
ギャップにやられたという説。

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ブンちゃん

言い方がアレだな。
確か、ハウルはわりと初期から
ソフィーが呪いにかかって年を取っていると
気付いていたんだよね。
それならギャップにときめいてもおかしくないのかも。

 

でもさ、あんた本気で思ってたわけ?この商売をしているぼくに、そんなこともわからないって。強力な魔法を見たら、気づくに決まってるだろうが。

(「ハウルの動く城魔法使いハウルと火の悪魔」P344より) 

 

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みちぱん

なぜハウルが黙っていたのかは
わかりませんが…。

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ブンちゃん

映画の方は、呪いにかかっても
若くなったり年老いたりしてるよね。
あれは「ソフィーが自信をもったとき」とか
ハウルにときめいたとき」にそうなるって
説が流れていたけど、原作もそうだったら
少女になったり老婆になったり
していたのかもしれないね。

 

可能性その3:ひとめぼれ説

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みちぱん

これはソフィーのと一緒ですね。
五月祭のときには
「気になる女の子だった」と。

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ブンちゃん

ナンパしてたしね。

 

「ずっと考えてたんだ。あんたはひょっとしたら、あの五月祭の日に出会ったかわいらしい娘さんじゃないかって。あのときはどうしてあんなにびくびくしてたんだい?」

(「ハウルの動く城魔法使いハウルと火の悪魔」P398より) 

 

疑問:ハウルはソフィーを長く愛せるのか

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みちぱん

さてここまで検証してきましたが、
ひとめぼれ説にすれば丸く収まりますかね?笑

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ブンちゃん

徐々に、って感じもするけどね。
その可能性の方が高そう。

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みちぱん

この本の最後で、ハウルがソフィーに
求婚するんですけれど、本気?って感じですよね(笑)

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ブンちゃん

ハウルは恋愛はゲームだと思っているからな。
相手を惚れさせたらそこで終わり。
あとはフるだけだもんね。

 

「とんでもない。それじゃ、ゲームにならない。ちっともおもしろくないだろ」

(「ハウルの動く城魔法使いハウルと火の悪魔」P120より) 

 

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みちぱん

この法則でいくと、ソフィーと想いが通じたら
そこで終わりって感じしますよね…。

 

「ぼくたちって、これからいっしょに末永く幸せに暮らすべきなんじゃない?」

(「ハウルの動く城魔法使いハウルと火の悪魔」P399より) 

 

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ブンちゃん

さすがにこの口説き文句は
他の女に言ってないと思うけどね…。
「末永く」≒「永遠」だから、
そういう覚悟はしていると思うよ、たぶん。

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みちぱん

ハウルはそれなりにソフィーに
執着はしているんですけどね…。

 

「それなのにぼくときたら、あんたの家族を城に呼んでおけば、あんたも出てったりしないと思ってたんだからなあ!」

(「ハウルの動く城魔法使いハウルと火の悪魔」P384より)

 

「それに、あんた、人がよすぎだ」 

(「ハウルの動く城魔法使いハウルと火の悪魔」P388より)

 

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ブンちゃん

まぁ、あと2巻あるわけだし、
それ読めば分かるんじゃないかな。

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みちぱん

そうですね…。
浮気したらハウル許さん。